「一竹辻が花」と人形芸術2016年06月11日 13:15

先日、「一竹辻が花」と名付けられた作品を河口湖湖畔にある久保田一竹美術館で鑑賞する機会があった。美術館の説明によれば「【辻が花染め】とは、室町時代に栄えた縫締絞の紋様染で、名称の由来は定かではありません。始めは庶民の小袖から始まったと言われていますが、「絞り」と「染め」「ししゅう」の併用で作られます。後に武家に愛され、高級品として一世を風靡します。しかし、江戸時代の初期にその姿を消してしまいます。二十歳の時にこの【辻が花染め】と出会った久保田一竹は、その美しさに心惹かれ、伝統技術の再現に加え、独自の息吹を吹き込み、一層の深化を遂げることに成功しました。
赤貧、苦難、失敗の末、その完成を遂げたのは久保田一竹60歳の時。この作品を【一竹辻が花】と命名しました。」との、ことです。
作品展示室入口

富士山をイメージしたピラミッド型の木組みの作品展示室には、
光響~Symphony of Light~の30連作:着物の絵巻物、秋から冬へ、それぞれ15点がが展示されていた。時空を超えた空間に来たようで、作品に圧倒された。全80連作四季・海・宇宙を表現しようという久保田一竹のライフワークの一部だ、そうだ。
茶房から見える竜門の滝

茶房で、抹茶とぜんざい

併設の茶房で抹茶とぜんざいを頂きつつ先ほどの感動の余韻に浸りながら、木漏れ日を受ける滝を眺めた。美術館内はもみじが多く、深紅に色ずく秋はまた違った魅力であろう。
次に、対岸にある河口湖ミューズ館-与優輝館に向かった。木綿の布の温かみのある作品が展示されていた。子供たちが遊んでいる光景や野球チーム、そして映画「東京物語」で、紀子を演じる原節子、笠智衆と東山千栄子が演じた老夫婦の人形が映画のひとコマを切り取ったように展示されていた。
河口湖ミュージアム前のラベンダー
色づいたラベンダーや湖面を眺め、至福の時を過ごせたことを感謝します。

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